彼氏や友達のウソに気付き、ショックを受けた経験はありませんか? しかし、世の中には優しさからウソをつく人もいます。では、優しいウソとは一体どのようなものを指すのでしょうか。
今日は、優しいウソの具体例と、優しさからウソをつく人の心理、優しいウソの見分け方などを紹介します。あなたがショックを受けたそのウソも、もしかしたら優しいウソかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
優しいウソとは? 定義と具体的な例3選
優しいウソとは、自分のためでなく相手のためにつくウソのことです。
例えば、ドラマや漫画でこんなシーンを見たことがありませんか?
彼女「ごめーん、待った?」
彼氏「いや、俺も今ちょうど着いたとこ」
彼女「そっか、なら良かった♡」
もしこの男性が実は15分ほど待っていたのだとしたら、彼はウソをついたことになりますよね。しかし「彼を待たせた」という罪悪感を彼女に抱かせてしまうのは申し訳ないと思う気持ちから、彼は優しいウソをついたのです。
このように、優しいウソには必ずと言っていいほど優しさが隠れています。
では、優しいウソには他にどのようなものがあるでしょうか? いくつか具体例を紹介します。
その1.(本当は○○だけど)「おいしいよ♡」
本当は今いちだったり苦手な食べ物だったりしたとしても、相手の一生懸命に作ってくれた気持ちが分かるからこそ、あえて何も言わずに「おいしいよ♡」と伝える。
これは、代表的な優しいウソですね。
その2.(まだ眠くないけど)「眠くなってきた」
本当はもっと話していたい。だけどそのせいで明日がツラくなるとかわいそうだからと、あえて「眠い」とウソをつく。
これも、優しいウソの代表例ですね。
お互いに「本当はもっと話していたい」と思っているからこそ、どちらかが言い出さなければいつまでも電話を切れない(またはバイバイできない)。
「明日も早いでしょ?」と聞いたところで「大丈夫だよ」と言われてしまう。
それが分かっているからこそ、あえて真意を伝えないのです。
その3.(本当は別れたくないけど)「別れよう」
本当は別れたくないけど、自分と別れなければ相手を不幸にしてしまう。それに、自分が言わない限り相手から言い出せないことも分かっている。
そんな状況での「別れよう」は、まさに究極の優しいウソと言えるでしょう。
こういったウソはドラマや漫画の中ではよく見ますが、リアルな世界で目の当たりにすることはあまりないかもしれませんね。とはいえ、こういったウソをつく人は実際にいます。
では、こういったウソをあまり目にしないのは一体なぜなのでしょうか?
それは、優しいウソをつかれた本人は気付きにくいものだからです。
気付いていないだけで、もしかするとあなたも過去にいろんな人から優しいウソをつかれていたかもしれませんよ。
なぜウソをつくの? 優しさからウソをつく人の心理
人が誰かに対して優しいウソをつくのは、その相手への愛情や思いやる気持ちがあるからです。いわゆる気遣いの一種ともいえますね。
「正直に本心を伝えると相手を傷つけてしまうかもしれないから」や「正直に真意を伝えても相手が納得しないのを分かっているから」など、ウソをつく直接的な理由はケースバイケースです。
ただひとつだけ言い切れるとすれば、優しいウソには損得勘定(※)がありません。
※損得勘定(そんとくかんじょう)…損か得かを考えること
とにかく相手にとって良い状況・良い結果になれば良いなと、それだけを考えてつくのが優しいウソ。
「ウソをついたことで自分がもし損をすることになったとしても構わない」
そう思えるのが、優しいウソの特徴です。
それに対して、自分の損得を気にしてつくのは優しいウソと呼びません。一見すると優しいウソに見えたとしても、それは本当の優しいウソとは違います。
では優しいウソとそうでないウソを見分けるには、どのようなところを見ればよいのでしょうか?
「優しいウソ」と「単なるウソ」の見分け方
優しいウソと単なるウソの違いを見分けるポイントは、“そのウソによって得をするのが誰なのか”です。
例えば初めて会った相手に趣味を聞かれ、答えたとします。相手はあなたの趣味に対して特に興味がなかったものの、仲良くなりたい気持ちから「もっと知りたい! 教えて?」と伝えました。
このウソは、優しいウソでしょうか? それとも、単なるウソでしょうか?
答えは『単なるウソ』です。
“パッと見”では、優しいウソに見えるかもしれません。ですが、実は違います。このウソには「もっと相手と仲良くなりたい」という気持ちが隠れているからです。
「会話を盛り下げたくない」という気持ちは、一見すると相手のためを思っているように見えます。しかし実際は、自分のために抱く感情なのです。
先ほどの例でいうと、「知りたい! 教えて?」の裏側には次のような気持ちが隠れています。
「話を遮ったら嫌な印象を与えてしまうかも」
「相手の好きなことを自分も深く知りたい・好きになりたい」
「楽しそうに話す顔をもっと見ていたい」
これらを見ると、明らかに自分の感情を優先しているのが分かります。このように、ウソをついた結果として相手ではなく自分が得をするのは単なるウソの特徴です。
2人の関係がこじれることを防ぐためにつくウソは、どちらかというと“お世辞”に近い意味合いを持ちます。お世辞と優しいウソは似て非なるものですので、優しいウソを見極めたいときには注意が必要です。
もし彼氏や友達がウソをついていることに気付いたら、そのウソにはどんな裏があるのかを一度じっくり考えてみると良いでしょう。
優しいウソには気付きにくい! 思いやりを持って見極めよう
今日は優しいウソの具体例と、優しさからウソをつく人の心理、優しいウソの見分け方などを紹介しました。
中には、あえて何も言わないという態度でウソをつく人もいます。「知っていたなら言ってくれたら良かったのに!」と思うことがあった場合、それは相手の優しいウソなのかもしれません。
先ほどもお伝えしたように、優しいウソに本人は気付きにくいものです。彼氏や友達のウソに気付いたときは、ぜひ思いやりの気持ちを持って判断してみてください。案外、優しいウソは身近に転がっているかもしれませんよ。
Written by:永瀬 なみ(コラムニストカウンセラー)