大人になると増えてくるもの。それは、贈り物をする機会です。仕事関係や親戚付き合い、ご近所付き合いなど、人との交流が増えれば増えるほど贈り物をする機会も増えていきます。そして贈り物をする時に知っておきたいのが、マナーです。
今日は『贈り物のマナー第2弾』として、贈り物に選ぶとNGな物を紹介します。贈り物をする機会が増えてきた人は、ぜひ参考にしてみてください。
その贈り物、実はNGかも…? 各シーンで「贈ってはいけない物」
では早速、贈ることでマナー違反になる恐れがある品物をシーン別に紹介します。
その1.基本中の基本! シーンに関係なく「常にNG」な贈り物
まず紹介するのは、基本中の基本ともいえる贈り物のマナーです。
シーンに関係なく、贈り物をする時は以下の品物を贈らないように気を付けなければいけません。
・ライバル会社の製品
・人によって好みが分かれる物
・ハンカチ(特に白は×)
・4と9に関係する物
ハンカチの日本名は『手巾(しゅきん)』です。これが『てぎれ』と読めてしまうことから、ハンカチは手切れ(つまり絶縁)を連想させる物として印象が定着しています。そのため日本では(特にご年配の方にとっては)贈り物にハンカチを選ぶとマナー違反になってしまうのです。
また4は『死』を、9は『苦』を連想させることから、どちらも贈り物には適していません。例えば、コームは『くし=94』を連想する恐れがあるためNGです。贈り物の数も、4個と9個は避けるべきだと考えられます。
これらは贈り物をする上で基本となるマナーですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
その2.目上の方が相手の場合にNGな贈り物
次に、目上の方に贈り物をする場合についてお伝えします。
目上の方に贈り物をする場合、まず覚えておきたいのが『現金はNG』というマナーです。
実は現金を贈るという行為には、相手の懐具合を心配する気持ちが隠れています。そのため仮にそんなつもりがなかったとしても、贈り物を受け取った相手から「失礼だ」と思われてしまう可能性があるのです。
また靴や靴下、スリッパなどの“足にはいて使う物”やカバン・腕時計・文房具などの“勤勉を連想させる物”も、贈ると失礼に当たります。
目上の方に贈り物をする場合、目下の相手に贈る場合とはマナーが少し異なることをぜひ覚えておいてください。
その3.お祝いのシーンでNGな贈り物
最後に、お祝いのシーンで贈り物をする場合についてお伝えします。
お祝いの贈り物でNGなのは『日本茶』です。
日本茶は弔事(ちょうじ:葬式や法事などのお悔やみ事)の際に用いることが多いため、お祝い事の贈り物としてはオススメできません。
とはいえ相手が大の日本茶好きであったり、その土地ならではの習慣があったりする場合は例外です。あくまで“一般的には”という話ですので、その時々に合わせて判断するとよいでしょう。
また新築祝いと結婚祝いのNGな贈り物についてもそれぞれ以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
【新築祝い・引っ越し祝いで贈ってはいけない物】
新築祝いや引っ越し祝いを贈る際にNGなのは、こういった品物です。
◇火を連想させる物(火事を連想する=不吉なため)
例:アロマキャンドル、トースター、赤い物など
◇壁に穴を開ける必要がある物(壁に傷が付くため)
例:壁掛け時計、絵画、ウォールラックなど
なお“火”を連想する物については、開業祝いや開店祝いなどでも不吉な物として扱います。
【結婚祝いで贈ってはいけない物】
最後に紹介するのは、結婚祝いに贈ってはいけない物です。
以下の品物は別れを連想させるため、結婚祝いで贈ると相手を嫌な気持ちにさせてしまう恐れがあります。
◇“切れる”や“割れる”を連想させる物
例:陶器やガラス製品、刃物、鏡など
◇割り切れる数の物
例:4個、14個など
とはいえ、夫婦は同じ物をおそろいで持つことが少なくないですよね。そのため結婚祝いの場合、2個(ペア)はOKです。また1ダース(12個)や半ダース(6個)などは1セットと捉えるため、偶数には入りません。“末広がり”を意味する『8』も、縁起が良い数字です。
これらの数字であれば、結婚祝いの贈り物に選んでも問題ないでしょう。
大切なのは相手を思う気持ち。贈り物は相手に合わせて選ぼう
今日は『贈り物のマナー第2弾』として、贈り物に選ぶとNGな物を紹介しました。
ただし、ここで紹介した内容は相手がマナーを重んじるタイプなのかどうかによっても異なります。気心の知れた友達に贈り物をする場合は、相手の好みや欲しい物などを重視して選ぶとよいでしょう。
贈り物をする際に大切なのは、やはり相手を思う気持ちです。自己満足にならないよう、ぜひ相手の気持ちを一番に考えて選んであげてくださいね。
Written by:永瀬 なみ(コラムニスト・カウンセラー)